電子殻「K殻」の名付け方の人間臭さ【化学のこういう所が好き】
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とっても小さな世界の電子くん
みなさんは原子の構成をご存知ですか?
原子の中心に原子核(陽子+中性子)があり、その周りを電子がグルグル回ってるイメージが有名ですね。
実際はグルグル回ってる訳ではないのですが、本題からズレるので、ここではグルグル回ってるとしましょう。
電子くんの座れる席はVIP席か?
実は電子がグルグル回るためのエリアは常に決まっています。原子核に一番近いエリアには2個の電子しか入れません。音楽ライブのVIP席みたいなものです。二番目に近いエリアには8個しか電子が入れません。ライブのS席のようなものですね。そしてもしVIP席が1つ空けばS席の電子が1つVIP席に行くことができます。S席の後ろには当然A席、B席が続いていきます。
VIP席だと思ったらK席だった!?
ここで
【VIP】→【S席】→【A席】→【B席】
という例を出しましたが電子の席の名前は
【K殻】→【L殻】→【M殻】→【N殻】
と名付けられています。
なぜKからなのか分かりますか?あなたがK殻を発見した人の気持ちになると分かるかもしれません。
VIP席がK席になった理由
「原子核に一番近いからAにしよう!その次をB→C→Dとしよう」として、もし後にAの内側にも電子があることが分かったら名付けた人めっちゃダサくないですか?
Aの内側に電子があることを発見しちゃった人は、なんて名前をつけたらいいかめっちゃ困らないですか?
そうです。だから中途半端なKからにしたんです。これなら内側に電子が来ても、そこをJとすれば大丈夫ですからね。
モノの名付け方ひとつとっても色々な背景やストーリーがあると思うのですが、こういう人間臭いところがあるものは大好きです。
iPS細胞のiはなぜ小文字か?
ちなみに京大の山中教授が世界で初めて作製に成功し、名付け親にもなった「iPS細胞」の「i」が小文字な理由も、なかなかに時代を反映したもので面白いですよ。
ヒント:みなさんが手に持っているものはiが小文字じゃないですか?